稲田みかげとは

中野山

茨城県笠間市の稲田地区で採れる「稲田みかげ」は、日本を代表する石材のひとつで、その特徴は多岐にわたります。
約6000万年前、地下深くで冷えたマグマが固まってできた花崗岩(かこうがん)の一種で、その卓越した白さから「白い貴婦人」という名称でも呼ばれます。

岩質データ

石種 花崗岩
見掛け比重 2.63(t/m3)
吸水率 0.22(%)
圧縮強度 167.48(N/mm2)

色合いと模様

墓石

主に薄い灰色の石英、白い長石、黒い雲母の3つの鉱物から成る花崗岩の中で、稲田石は白い長石が60%を占め、その独自の色調が際立っています。均整の取れた石目や優れた硬さが特長で、白い石肌が透明感を醸し出します。巨大な花崗岩体から得られる稲田みかげは、墓石だけではなく大規模な建造物に広く活用され、街の格式高い景観を構築しています。

価格と信頼性

墓石

稲田みかげは採石が始まってから百年以上の歴史があります。
それだけ長い間愛され使われ続けている訳は、品質が安定しているということに他なりません。
現在でも国内最大級の埋蔵量、採掘量を誇ります。
日本一の採掘量のおかげで、品質は最高級ながら、他の国産材と比較すると安価な材料として供給することが可能です。

硬度と耐久性

美しい外観と卓越した耐久性を備えた稲田みかげは、経年劣化に対する耐性が高いため、墓石や建築材、土木材料など様々な分野で採用されています。これは、戦後の日本の復興と経済成長に寄与しただけでなく、現在でも大規模な石造物に適した人気のある建材として選ばれています。特に関東地方の歴史的建造物に多く使用されています。

東京駅
東京駅

最高裁判所
最高裁判所

地域資源の有効活用

稲田地区

茨城県笠間市の稲田地区では、稲田みかげの採掘が地域資源として根付いています。地元の産業として、石切り場や石工業者が稼働し、地域経済に貢献しています。また地域資源を有効に活用することで石材産業が発展し、地域の特産品としても親しまれています。
最近では、採石場跡に湧水がたまり、「日本のグランドキャニオン」「地図にない湖」として観光施設としても人気を博しております。

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